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 レーザーより優れたサージトロンによる日帰り手術

サージトロン
 サージトロンは電気メスの進化型
サージトロンは最新型の電気メスで、切開・凝固する医療器械です。従来から手術で使われている電気メスよりもはるかに高い周波数(高周波ラジオ波)により、皮膚や粘膜を切開し、深部を凝固します。周波数が高いため、目的とする部分だけをピンポイントに切開・凝固することができますので、従来の外科的治療のような痛みや出血がほとんどありません。また、周囲に熱を発生させることがなく、器具を自在に曲げて体内に挿入できるので、レーザーでは手術が難しかった例でも手術が可能になりました。

 花粉症・鼻アレルギー・鼻づまりのサージトロン手術
 アレルギー性鼻炎のクシャミ・鼻水・鼻づまりに対しては先ず薬剤療法を行いますが、薬剤を用いても症状が良くならない、鼻づまりがずっと続くといったことでお困りの方が少なくありません。薬剤以外の治療法として注目されているのが手術治療です。
 手術治療では、鼻の粘膜を焼いてアレルギー反応を起こしにくくすることに主眼が置かれてきました。レーザーやアルゴンプラズマなどの手術器械、トリクロール酢酸という薬剤を用いた方法は、いずれも鼻粘膜の表面を変性させることによってアレルギー反応を起こしにくくします。しかし、これらの方法では、既に肥大してしまっている鼻の粘膜下組織(粘膜より深い部分)を改善することはできないので、鼻づまりはなかなかよくなりません。
 サージトロンでは微細電極を粘膜から奥深く刺入できるので、表面を変性させる作用に加えて、粘膜下組織を焼灼し縮小させることができます。その結果、アレルギー反応を起こしにくくするだけでなく、空気の通るスペース自体が拡がるので鼻づまりを良くする効果が高いのです。
 サージトロン手術は、局所麻酔の時間も含めて30分程度で済みます。まず麻酔薬のついたガーゼを鼻内に入れて20分ほどしてから、鼻粘膜に電極を刺入して通電します。通電時間は3〜10秒を3〜8回くらいで、痛みはほとんどありません。それから止血を確認し、10分ほど休んでから帰宅していただきます。手術後の数日は鼻粘膜が反応性に腫れるため、鼻づまりが悪くなったように感じますが、さらに数日すると次第に鼻が通ってきて手術前より鼻づまりが改善します。この一過性の鼻づまり悪化のことを考えると、手術は両側を同じ日に行うよりも二週間くらい空けて片方ずつ行うのが理想的です。
 鼻づまりに対しては95%、クシャミ・鼻水に対しては80%の有効率があり、薬の量や通院回数が減ること、鼻づまりが良くなって集中力が増すことなどが期待できます。

 長期にわたる薬剤の服用を避けたい方、薬を使っても鼻がグズグズして鼻声でつらい方、妊娠などにより薬を服用できない方は、ぜひ一度ご相談ください。
もちろん、保険が適用され、三割負担の方で費用は片側5,500円程度(両側一度に行うと8,500円程度)です。
 術後の注意
 手術当日に入浴はできません。術後1週間は飲酒や激しい運動はできません。

 鼓膜形成手術
 慢性中耳炎の鼓膜穿孔では、小さな穿孔であれば日帰りの手術が可能です。
 手術時間は40分〜1時間程度です。まず耳たぶの後方を局所麻酔をしてから3cmほど皮膚を切開して、側頭筋という筋肉の膜(筋膜)を直径1cm程度採取します。切開した皮膚を縫合して、鼓膜の近くに麻酔のガーゼを入れて20分程度休んでいただきます。手術用顕微鏡を用いて、鼓膜穿孔の辺縁部分の円周を切除し、鼓膜の内側に採取した筋膜を置いて生体用の接着剤でのり付けして終了です。
 保険が適用され、三割負担の方で費用は55,000円程度です。
 術後の注意
 手術当日に入浴はできません。術後1週間は飲酒や激しい運動はできません。